帰国期限まで残り4.5ヶ月と迫ってきた今、感じることは「アメリカでの生活に慣れた」ということです。
これは、こちらで時間を過ごしたからこそ言えることだと思いますがどこに行くにしてもなにをするにしても一定以上のエネルギーを消費しなくなりました。最初は、病院に電話したり、子ども同士の集まりに行くのも気が引けていましたが、いまとなっちゃあ準備時間0.5秒くらいで「じゃあやるか」といったところです。
スーパーも行きつけになり、何がどこにあって大体これくらいの値段で売られているだとか、ターゲット(Target)は特定の日を過ぎると激安ワゴンにお菓子が並ぶだとか色々と細かいことが分かってきて、自分なりの生活が送れるようになってきました。
それはどうでもいいのですが、ずーっとこっちにいっぱなしだと、日本人特有の空気を読む感覚が微妙になってくるのも感じます。そこで、空気を読む能力を最大限生かした結果、こちらにいるアジア人の学生は、がんばって学位を取得して、こちらで就職してアメリカに住み、そのまま母国には帰らないつもりの人が多いと感じています。
日本人は日本がベストだと思います。ごはんおいしいし、良くも悪くもみんな感覚が似ているし、みんな日本語話すし。豊かだし。日本は豊かで、経済大国だといわれていましたが、海外に出ないと日本がどれくらい豊かかは分かりません。はっきりいってアメリカよりも日本のほうが何をするにも便利です。多様性が無い分、上手く最適化されているのでしょう。つまり、日本人の感覚なら日本が便利。
アメリカの大学へ世界中から優秀な人物が集まり、母国に帰らないというシステムだとしたら、この国はそうとう懐が深く能力主義であると感じる反面、階層が下の人たちはアメリカが母国でも外国の優秀な人たちにやることを奪われるわけで、そうとうシビアだと感じます。「みんな一緒が素晴らしい!」なんて思ってたらこんなことにはなっていない分けで、努力・開拓しないものは誰も生き残れないということです。
まあ確かに、世界共通語が母国語で、英語を学ぶ時間が無い分他の事が出来ることが大きいわけで、基本的にはアメリカへ来る人たちは、英語と高度な勉学の2重苦にさらされるわけです。そう考えりゃ、英語が母国語なら時間的に有利。論文もテキストも全部母国語でかかれているわけですから。それでも外国の人に抜かれるようなら知ったこっちゃ無いと、いうわけですな。
では、母国に帰るつもりでアメリカで学位を取得することはどうか?アメリカで学んだ技術を母国に持ち帰るということです。個人的には素晴らしいことだと思いますが、なぜ回りの学生はそれをしようとしないのか?おそらくは、
1、生活レベルが落ちる
2、そもそもアメリカで(世界レベル)勝負をしたい
3、母国に有力企業が無く、結局他国の支社に入社
従って、母国に世界で通用する企業が無く、よりよい生活をするためにはアメリカで生活するのが手っ取り早い。世界中に支社があるので、幅が広がる。ということのような気がします。それにおそらくこちらでの生活が楽しいのでしょう。日本はこれがなく、日本語だけで世界に通用するものがまだある上、日本国内で回すだけでも十分豊かです。ですので特にアメリカでの生活に拘る必要がありません。
では、外国の人が日本で学位→仕事をとったとすると、アメリカよりも企業数が少なく、日本語と文化が独特。日本自体もアメリカのひも付きであることから、アメリカの方が魅力が高そうです。
従って、母国に見切りをつけた人あるいはより良い生活を求めている人は、様々な努力をしてアメリカで生活が送れるようにコントロールしようとしている。日本は一昔前に、アメリカを目指した殆どの人たちが日本に技術やらを持ち帰ってきた(はず)。その違いとなる理由は良く分かりませんが、少なくとも今の日本の置かれる世界的な地位を築いてくれた方々には頭が上がらない気持ちです。お蔭様で日本人は扱い悪くないですよ。帰りたいと思える国ですし。(エビフライが食べたい。)